Apple ドキュメント ID 106987 「Mac OS X: How to rebuild a software RAID mirror」 http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=106987 より
"注意:"この文書は Mac OS X 10.2 以降と Mac OS X Server 10.2 以降に対応します.
しばしば,ディスクユーティリティが ソフトウェアミラーが壊れた(degrade)ので, 再構築しなければならないと報告することがあります. そういった状況では, 一本のドライブがもう一本のドライブと同期できなくなっています. ソフトウェアミラーを再構築するには, 次のようなステップを踏む必要があります.
"警告:"この手順を始める前に, すべてのデータをバックアップする必要があります. さもないと,失敗したときにデータを失うことになります.
1. ターミナル(/アプリケーション/ユーティリティ/)を起動します.
"注意:" もし,CD から OS を起動したのであれば, [File] メニューから選択して [Terminal] を起動します. また,シングルユーザモードで起動しているなら, sudo を使ってコマンドを実行する必要はありません.
2. sudo diskutil checkRAIDと打ちます.
3. [リターン]を打ちます.
4. プロンプトが出たら,管理者ユーザのパスワードを入力し[リターン]を 押します. これは,そのコンピュータにある RAID セットのリストを表示します. 出力は下のようになります.
RAID SETS --------- Set Name: Test Mirror Set Unique ID: Test Mirror53c35c34e6ca11d698410003938bb930 Set Type: Mirror Set Device Node: disk4 ------------------------------------------------------------- # Device Node Status ------------------------------------------------------------- 0 disk1 (Bay 2 OK 1 Unknown Missing/Damaged -------------------------------------------------------------
表示されている番号(0 とか 1)はスライス番号です. 後で必要なので,問題があるドライブのスライス番号をメモっておきます.
上の例では,ミラーセット "Test Mirror" のスライス 0 は OK だが, スライス 1 が見つからない(missing)か故障(damaged)しています. また,ミラーセット "Test Mirror" のデバイスノード(Device Node)は"disk4" で, ミラーセットの OK なディスクのデバイスノードは "disk1" です.
5. sudo diskutil listと打ちます.
6. [リターン] を入力します. これは,そのコンピュータ上の生きているディスクを表示します. ノードの番号はふつう,ドライブが入っているベイの番号とは 関連性がないことに注意してください. 出力は次のようになります.
/dev/disk0 #: type name size Node 0: Apple_partition_scheme *57.3 GB disk0 1: Apple_partition_map 31.5 KB disk0s1 2: Apple_HFS Big Drive 60 GB Bay 3 57.3 GB disk0s2 /dev/disk1 #: type name size Node 0: Apple_partition_scheme *57.3 GB disk1 1: Apple_partition_map 31.5 KB disk1s1 2: Apple_Driver_OpenFirmware 512.0 KB disk1s2 3: Apple_Boot_RAID 57.3 GB disk1s3 /dev/disk2 #: type name size Node 0: Apple_partition_scheme *57.3 GB disk2 1: Apple_partition_map 31.5 KB disk2s1 2: Apple_Driver43 28.0 KB disk2s2 3: Apple_Driver43 28.0 KB disk2s3 4: Apple_Driver_ATA 28.0 KB disk2s4 5: Apple_Driver_ATA 28.0 KB disk2s5 6: Apple_FWDriver 256.0 KB disk2s6 7: Apple_Driver_IOKit 256.0 KB disk2s7 8: Apple_Patches 256.0 KB disk2s8 9: Apple_HFS Partition 1 14.3 GB disk2s9 10: Apple_HFS Partition 2 14.3 GB disk2s10 11: Apple_HFS Partition 3 14.3 GB disk2s11 12: Apple_HFS Partition 4 14.3 GB disk2s12 /dev/disk3 #: type name size Node 0: Apple_partition_scheme *57.3 GB disk3 /dev/disk4 #: type name size Node 0: Test Mirror *57.3 GB disk4 1: Test Mirror 57.3 GB disk4
ここには, 未フォーマットの交換ディスクのデバイスノードが "disk3" と表示されています. /dev/disk1 のような通常のハードドライブと比べるとわかります. もしドライブが表示の中に見つからない場合, ドライブが故障しているかも知れません. もし,そうならドライブを交換して,ステップ 5 と 6 を繰り返してください.
7. 「ディスクユーティリティ」で "Missing/Damaged"と表示しているドライブ, もしくは交換されたドライブを再フォーマットします.
8. もし RAID がコンピュータの起動ボリュームであったなら, Mac OS X もしくは Mac OS X Server のインストール CD で起動します. 起動すれば,インストーラのメニューから [Disk Utility] を選択します.
9. ドライブリストの中には,RAID ミラーボリュームと他のハードドライブが あると思います. 完全な RAID ドライブはグレー表示になっていて, 新たにフォーマットしたドライブは通常通り表示されていると思います. ボリュームのリストから RAID ミラーボリュームを選択し, [RAID] タブをクリックします. ウインドウの下方に,現在 RAID で使用されているドライブが表示されます. 左のドライブのリストから,新たにフォーマットしたドライブを選択し, RAID ドライブのリストにドラッグ & ドロップします. 下方の[再構築]([Rebuild])ボタンをクリックします.
10. 再構築が完了した後にドライブがマウントできない場合は, サーバを再起動します.
11. 再構築が成功しなかった場合, RAID ボリュームから起動していたからかもしれません. もしそうであれば, Mac OS X もしくは Mac OS X Server のインストールディスクで起動し, ステップ 9 を繰り返します. 再構築プロセスが失敗(fail)し,RAID ボリュームから起動しなくなった場合は, ステップ 12 に進んでください.
12. ディスクユーティリティでは,時々,壊れた RAID ミラーの再構築が ちゃんと成功しない場合があります. そういった場合は,RAID ミラーセットの再構築の際, ディスクユーティリティの代わりとしてコマンドラインツールの diskutil を 使ってください. 次のような手順となります.
必要があれば,ステップ 1 から 10 を繰り返します.
13. 次のように入力します.
sudo diskutil repairMirror DeviceNode sliceNumber fromDisk toDisk
"注意:" "DeviceNode" は生きているミラーのデバイスノード(上の例では disk4)と 置き換えます. "sliceNumber" は置き換えるスライス番号(上の例では 1)と置き換えます. "fromDisk" はミラーセットのうち, OK ディスクのデバイスノード(上の例では disk1)と置き換えます. "toDisk" は置き換えるディスクのデバイスノード(上の例では disk3)と置き換えます. つまり,例のミラーセット "Test Mirror" を再構築するには以下のように入力します.
sudo diskutil repairMirror disk4 1 disk1 disk3
14. [リターン]を押します.
15. 再構築が完了した後にドライブがマウントできない場合は, サーバを再起動します.